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国家公務員の転職先7選|キャリア・ノンキャリア問わず実際に選ばれた転職先とは?

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国家公務員として働く中で、「このまま定年まで続けていいのだろうか?」と感じることはありませんか?
かといって、民間企業への転職となると、「どこに行けるのか」「本当に通用するのか」と不安に思う人も多いはずです。
実は、国家公務員から民間や他分野へ転職する人は年々増えており、令和4年度には、5,929名(定年退職を除く)もの国家公務員が退職しています(人事院 令和四年度における一般職の国家公務員の任用状況調査の概要)。

そんなにたくさん辞めてるんだね…

この記事では、実際に私の周囲で退職・転職していった人たちの事例をもとに、国家公務員のリアルな転職先を7つご紹介します。国家総合職・一般職を問わず参考になる内容になっていますので、「次の一歩」を考えている方はぜひ読んでみてください。

ちなみに私自身も国家公務員として11年働いたあと、7年前に民間企業へ転職しました。もし私が公務員をやめた3つの理由に興味があれば、こちらの記事【国家公務員からベンチャー企業へ】私が公務員を辞めた理由にまとめていますので、もしご興味あればご覧ください。

この記事では、私の元同僚の転職先を紹介しながら、国家公務員にどんな転職先があるのか、転職は本当に可能なのかを整理していきます。

この記事のまとめ
  1. 転職先は多種多様(銀行、製薬会社、人材紹介会社、県や市)
  2. 必要な資格や経験が必要ない求人は2万件以上
  3. 国家公務員一般職でも転職できる
  4. 転職は若いほど有利。「今」がベストのタイミング

私の周りで実際にあった国家公務員の転職先7例

かつて同僚だった方が、どこに転職していったかをまとめています。一覧にすると次のとおり7種類で、合計14名が転職しています。

それぞれ簡単にどんな方だったのか、転職後の様子なども詳しく書いていきますね。

地方自治体(県庁や市役所)

一番周りで多いのが、国家公務員から地方公務員への転職。私の元同僚だけで5名いて、内訳は以下のとおりです。

  • ・都道府県庁 2名(転職時はそれぞれ32歳、28歳)
  • ・市役所 3名(転職時はそれぞれ38歳、32歳、30歳)

最近は地方自治体も人員不足なので、中途採用をしているところが多いです。地方自治体に転職する人でも30歳を超えて転職していく人も多いのが意外でした。

中途採用は自治体によって年齢制限に幅があるから注意ですね

地方自治体に行く人は「公務員の仕事は好きだけど、中央省庁は辛すぎる」っていう人が多いね

中途採用の場合、新卒で公務員になるときよりも筆記試験が重視されていないようで、そこまで勉強しなくて良かったという意見が多いです。

地方自治体に転職していった5人のうち3人は、地元に戻る形で転職していきました。

勤務時間も減って、自分の出身地で定住できるようになって嬉しいって人が多いね

コンサルタント

国家公務員からの転職先として地方自治体と同じくらいよく聞くのが、コンサルタント。私の元同僚だけでも4名がコンサルタントに転職しています。転職時の年齢は以下のとおりです。

  • ・28歳女性
  • ・25歳女性
  • ・28歳男性
  • ・43歳男性

コンサルタントと言っても、転職時には専門知識はなくても転職できたとのこと。国家公務員からの転職だと、特に国の省庁が顧客になっているコンサルタントへの転職者が多いです。

国家公務員がお客様になるので、元国家公務員だとスムーズにやりとりができると言ってました

コンサルタントは激務というイメージがありますが、転職していった4名全員が「本省勤務よりずっとラク」と言っていました。給料面も恵まれているようです。ノンキャリアで入省し、43歳でコンサルタントに転職した方は、転職初年度から年収800万と言っていました。

ただし、「公務員の体質が嫌で転職したい」という人は注意が必要です。

国家公務員の仕事のやり方が嫌で転職した人は、また行政の対応をしなければいけなくなってストレスだと言っていました…

同じコンサルタントでも行政の仕事がメイン、民間相手がメインのところがあるよね。行政から離れたい人は民間相手のコンサルがオススメだね

製薬会社

製薬会社に転職した女性もいました。ちなみにこの方は薬学部出身でもなく、厚生労働省で働いていたわけでもありません。転職したときには30代後半でした。
製薬会社では、厚生労働省との調整と交渉を行う「渉外」という仕事をしているとのこと。

中央省庁がどういう論理で動いているのか、内部事情に詳しいということで採用してもらったとのことでした

この方は育児と仕事を両立したいとずっと考えていたらしいのですが、本省の課長補佐になったときに「もう仕事と育児の両立は無理…」と心が折れて、転職を決意したとのこと。

今も忙しそうだったけど、在宅勤務やフレックス勤務のおかげで育児との両立がぐっとラクになったみたいです

大手銀行

金融業界と全く関係のない省庁勤務だったのにメガバンクに転職した方もいました。転職したときは34歳。銀行員はなぜか出勤が異常に早いそうなのですが、それさえ慣れれば本省勤務よりラクとのこと。

給料も35歳で年収1,000万超えてるって言ってたな…

さすがメガバンク…大変そうだけど、ちゃんと給料も高いんだね

EV充電器メーカー

この方も自分の専門分野や出身省庁と関係のない分野への転職。EV充電器メーカーへ42歳で転職しています。ちなみに経産省や国土交通省出身ではありません。自分の興味がある分野を転職エージェントと探していたら、EVの充電器メーカーの求人を見つけたとのこと。

新しくて伸びている業界だと、未経験で異業種からの人でも採用されやすいのかもね

40歳を超えても転職できるってちょっと驚き。人柄重視で採用してくれる企業もあるってことね

人材紹介会社

この方は4年以上本省勤務をして嫌になり、28歳でリクルートの求人・転職部門へ転職。入省区分はキャリア(総合職)ではなく、ノンキャリア(一般職)の方でした。

同じ課で勤務していたときから、「こんな意味があるのか分からない作業をしながら年を取りたくない。残業も多すぎ」とお互いにグチを言い合っていました。

転職してからは「明日の仕事は何をしようか」と主体的に仕事ができるようになったと言ってました

リクルートで4年働いた後、大手日系メーカーへもう一度転職しています。大手メーカーでは新規採用と中途採用の両方を担当しているそうです。

リクルートは様々な経歴の人が集まっていて、転職するのが前提の人が多い企業みたいです

リクルートでは民間企業で必要なスキルが一通り学べるので、公務員にはオススメと言っていました

大学教員

大学の教員として転職された方もいます。転職時は50歳を過ぎていましたが、公務員として働くのがどうしても嫌になったとのこと。退職してから大学教員のポストを見つけ、採用してもらったそうです。

私が所属する部局のエース級の人だったんですが、退職のお知らせが来た時には職場に衝撃が走りました…

その後大学教員を10年以上続け、学内でもかなり上のポジションにいらっしゃいます。公務員で特定の分野ばかり担当していなくても、大学教員になれるのは驚きでした。

この人からのアドバイスが、「必ず転職先を見つけてから退職する」だったな…

あとの仕事を決めないまま退職したから、精神的に相当つらかったみたいだよね

公務員の転職活動にはいくつかコツがあります。いくつか挙げると、

公務員から転職するときのコツ
  1. 公務員を辞める前に転職活動を始める
  2. 職場の人に、内定をもらうまでは転職活動を伝えない
  3. 内定を複数もらい、年収交渉をする
  4. 転職する企業を決めたら、すぐに直属の上司に報告

上記のコツを含め、現職でもめずに転職したい方はこちらの記事にまとめておりますので、ご覧いただければ幸いです。

【公務員の退職手続き】転職活動の開始から退職願の提出までの流れ 公務員を10年勤めてから、30代半ばで民間企業へ転職したユウキです。 公務員の仕事が好きになれず、転職したい方の応援をしたくてブ...
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公務員からの転職先は実際に存在するのか?

国家公務員からの転職はいまだ珍しいと思われています。「前例が少ないのでは?」「本当に求人があるのか?」と不安に感じる方も多いですよね。さきほど紹介した転職例7つを含め、実際に転職した方は私の周りだけでも14名いるというのは、「自分でも転職できそう」と思ってもらえるのではないでしょうか。

それだけでも公務員の転職先があるっていう証拠になるね

でも公務員だとコレといったスキルもないし、「未経験」として扱われるから求人があるのかやっぱり不安…

実は必要な資格や経験を求めない仕事も多いです。転職エージェントやサイトに登録して実際の求人を見ていただくと分かります。
例えば、私が登録しているリクルートエージェントで検索条件を以下の条件(正社員、職種&業界未経験OK)で入れたところ、高卒以上の求人が17,818件、大卒以上を求める求人が4,243件ありました。合計すると、22,061件もの求人が出てきました(2025年5月24時点)。

(出典:リクルートエージェントの検索結果より作成。2025年5月24時点)

検索条件
  1. 正社員のみ
  2. 高卒以上
  3. 職種未経験OK
  4. 業界未経験OK

大卒でなくても応募できるのは80%以上。つまり、業界や職種だけでなく、学歴の条件も高卒以上あれば良いという会社が大半ということですね。それだけ求人があれば、採用される方も多くいるはずです。

「公務員だから転職できない」という思い込みを一度なくして、どんな仕事があるかだけでも見てみてください。

一度転職エージェントに登録すれば、自分に合う求人をメールで紹介してくれます

その求人を見ていく中で、「これは面白そう」と感じる仕事に出会えるかも!

転職エージェントや転職サイトへの登録でもなんでも構いません。自分に合う仕事を見つけるための何か一歩、今日進めてみてください。

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ノンキャリア(一般職)でも転職できるのか?

キャリア(総合職)ではないノンキャリア(一般職)の方でも転職は可能です。さきほど紹介した転職先7選のうち、以下の転職先は一般職の方が転職しています。

  • ・市役所
  • ・コンサルタント
  • ・人材紹介会社

私が今まで経験した民間企業2社では、総合職か一般職かについて、選考にそれほど重要でないように感じました。

なかには「総合職」「一般職」の違いがあるのも知らない人もいるもんね

さすがに人事部など、採用を担当している方は違いを認識している気がするけどね

採用も担当している上司に聞いた面接で見ているポイントは、以下の3つでした。

  1. これまでの仕事で、どんな工夫をしてきたか
  2. 同僚となる人とうまくやれそうか
  3. 転職してきても活躍できそうか

学歴や職歴よりも、その人が新しい会社で活躍できそうかを見ているようです

志望動機の深堀り、面接の準備などを時間をかけて行いましょう。そうすれば、総合職や一般職の採用区分とは関係なく、転職できる可能性は十分あります。

自分に合った転職先をどう見つける?

キャリアを自分で決める

公務員からの転職先を探すときには、次の3つを深く考える必要があります。

  1. 仕事を通して何をしたいのか(例:お客さんの笑顔を見たい)
  2. 何をやりたくないのか(例:長時間の電車通勤)
  3. どんな私生活を送りたいのか(例:転勤をせず定住したい、土日休み)

ある程度時間を取って集中して考えたほうが良いです。仕事に行く前や仕事後など、一人で誰にも邪魔されないカフェなどがオススメですね。

自分が仕事に求めるものを明確にしておかないと、次の転職先が合わず、すぐ辞めたくなる可能性もあるね

私が公務員から転職したときの軸は、次のとおりです。

転職して実現したいこと
  1. 転勤がない人生
  2. 職場で怒鳴られない
  3. 自分の仕事の成果が見やすい(お客さんの笑顔が見られる)
  4. 自分のキャリアは自分で築く(無関係な異動先を回されない)
  5. 夜は20時くらいには家に帰れて、晩ごはんを食べられる生活

転職した今、一度も公務員を辞めたことを後悔したことはありません。

一人で考えると煮詰まってしまう人は、友人や家族に話し相手になってもらうと深く考えられます

今ならChatGPTなど、AIに話を聞いてもらうのでも良いですね

人と話しているうちに自分の考えがわかってくることもありますし、他人から「なぜそう思うのか?」と聞かれることで考えるキッカケにもなりますから。

私は知り合いに話すのが恥ずかしいので、転職エージェントであるリクルートエージェントの人にキャリアカウンセリングをしてもらいました。平日の夜にZOOMで、1時間くらいで終わりました。
転職エージェントは私が転職しないと報酬が得られないので、自分のやりたいことや目指す業界が明確になるまでサポートしてくれました。

転職エージェントも仕事でやってるからこそ、強みだけじゃなく、弱みも丁寧に伝えてくれたのはありがたかったです

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今が転職のチャンスか?時期と年齢の考え方

転職を考えていると、「今のタイミングってどうなんだろう?もうちょっと待った方がいいのかな?」と迷うことがあると思います。

ここで伝えたいことは以下の3つです。

  1. 過去10年間、求人倍率は高い水準で推移
  2. 不況は突然やってくる。景気が良いうちに転職するのがベスト
  3. 若いほど転職に有利なのは変わらないので、転職の決断は早いほど良い

それぞれ詳しく説明していきますね。

過去10年間、有効求人倍率は安定して高水準

まず押さえておきたいのは、過去10年間、有効求人倍率は全体的に高い水準で推移してきたということ。1倍(下のグラフの赤い線)を超えると「1人の求職者に対して1件の求人がある」という状況なので、転職者にとって有利な「売り手市場」と判断できます。

グラフ:求人、求職及び求人倍率の推移(平成24年〜令和6年)
(出典:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)についてより一部加工)

ここ数年は企業が「人を積極的に採用したい」と思ってるってことだね

つまり、転職するときには未経験として扱われる国家公務員にとって、チャンスが広がっている時期と言えますね。

不況は突然やってくる。景気が良いうちに転職するのがベスト

とはいえ、景気がずっと良いまま続くとは限りません。
過去にはリーマンショック(平成20年(2008年))のような大きな不況で、求人市場が一気に冷え込んだことがありました。
1倍(下のグラフの赤い線)の下にあるということは、「1人の求職者に対して1件以下の求人しかない」ってことですね。

求人、求職及び求人倍率の推移(平成16年〜平成28年)
(出典:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和28年12月分及び平成28年分)についてより一部加工)

平成20年から急激に求人が減ってるね…

有効求人倍率が1を切った期間が、平成20年から平成25年まで6年間もあったんだね…

ちょうどこの頃私は新卒で就活していたのですが、とにかく全然選考に通らなかったのを覚えています。同じ学年の友人たちも一つの内定を取るのにとても苦労していました。

だからこそ、景気が良くて求人が多い「今」のうちに、情報収集や転職活動を始めるのがベスト。求人がある時期にしか選べない仕事もありますし、選択肢が多いほど、自分が好きな仕事で年収をアップできる転職がしやすいです。

若ければ若いほど、転職の難易度は下がる

転職市場では、若いほど転職しやすいです。昔と違って30歳を超えても転職はできる時代にはなっています。でも若ければ若いほど、ポテンシャル採用枠や育成前提の求人に入りやすいです。厚生労働省が出している転職者(民間企業への転職者)の年齢別率を見ても、若い転職者が多いことが示されています。

性、年齢階級別転職入職率(令和5年(2023))
性、年齢階級別転職入職率(令和5年(2023))

(出典:厚生労働省 令和5年雇用動向調査結果の概況

29歳以下に比べて、30歳以上は転職者の率が減っていますよね。とはいえ、30代なら「まだ間に合う」年齢です。

私も33歳で1回目の転職、38歳で2回目の転職をしています

30代は業界の経験がなくても、これまでの職場での工夫や経験と安定感が評価される世代。転職しやすい年代の「最後のチャンス」としてチャレンジをおすすめします。

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さいごに:転職先は必ずある

転職までのステップ

コンサルタント、人材紹介会社、地方公共団体、製薬会社など、私の周りだけでも国家公務員からの転職先は多種多様です。転職先は必ずあります。「公務員は民間では使えない」なんてこともなく、転職していった方はそれぞれの職場で活躍しています。

まずは「自分はどんな仕事がしたいのか」「どんな求人があるのか」を知ることから始めてみてほしいです。

あなたが「人生の時間を使っても良い」と思える仕事を見つけ、よりよい人生が送れるよう、応援しています。

転職先を具体的に探していきたい方は、以下の記事も参考になるかと思いますので、お時間あればご覧ください。

それでは、また。

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ユウキ
公務員を33歳で転職し、会社員5年目。 公務員を辞めるのが怖くて10年も続けてしまった経験から、 「公務員を辞めるのは珍しくない」 「元公務員でも民間の仕事ができる」 を伝えたくて、ブログ運営をしています。 自分にとって大切なのは職場の安定ではなく、家族との時間、やりがいのある仕事だと気づき、11年目で公務員を退職。 今は残業月20時間以下の毎日を過ごしています。 私が公務員を辞めた詳しい理由は下記の記事をご覧ください。 https://www.koumuin-jobchange.com/reasons-why-i-quit-government/