「公務員を辞めたい」と思っても、いきなり退職するのはおすすめしません。
私自身は、
・国家公務員として働きながら転職活動を開始
・33歳で公務員を退職し、民間企業へ転職
・38歳でさらに2回目の転職(別の民間企業)も経験
しています。
公務員を辞める前は、不安だらけでした。例えば
- ・在職中に転職活動してもいいのか
- ・職場にバレないか
- ・民間企業で通用するのか
- ・年収は下がらないか
- ・退職を伝えたら引き止められないか
などなど、不安だらけで転職活動を始める勇気もないまま、公務員として11年間も過ごしてしまいました。
結論から言うと、公務員からの転職は可能です。ただし、勢いで退職してから転職活動を始めると、精神的にも金銭的にもかなり苦しくなります。
この記事では、公務員を辞めたいと思った日から、
・転職活動
・内定をもらってから本当に転職するか判断
・退職交渉
・転職後の生活
まで、私の実体験をもとに流れをまとめます。
- 公務員から転職を考えてから退職するまでのステップ
- 在職中に転職活動してもよい理由
- 公務員経験を民間企業に伝える方法
- 転職エージェントを使うべきタイミング
- 退職を伝える順番
- 転職後に後悔しないための注意点
大前提|公務員から転職したいなら、退職より先に転職活動を始める
公務員から転職したいなら、まずやるべきことは退職願を書くことではありません。
先にやるべきなのは、次の3つです。
- なぜ辞めたいのかを整理する
- 職務経歴書を作る
- 転職エージェントや求人サイトで市場価値を確認する
公務員を辞めたい気持ちが強くなると、「もう退職してから考えたい」と思うこともあります。
とくに多忙な部署にいると、「辞めないと転職活動の時間が取れない」と思っちゃいますよね……
でも、退職してから転職活動を始めると、貯金が減っていく焦りの中で求人を選ぶことになります。結果として、本当は行きたくない会社に妥協してしまう可能性もあります。
私は、公務員として在職しながら転職活動をして、内定をもらってから退職を伝えました。結果的に、この順番で進めて本当によかったと思っています。
次から、「公務員を辞めたい」と思ってからすべきことを順番に解説していきますね。
STEP1|まず「公務員を辞めたい理由」を分解する

最初にやるべきことは、辞めたい理由を分解することです。
たとえば、同じ「辞めたい」でも理由は人によって違いますよね。理由を挙げていくと様々あるはずです。私の場合ですが、
- 残業が多すぎる
- パワハラで辛い
- 仕事に意味を感じられない
- 民間の仕事も一度はやってみたい
- 転勤したくないのに数年で強制転勤
- 家族との時間が取れない
こういう辞めたい理由を、ノートでもなんでも良いので書いていくことをオススメします。
辞めたい理由を曖昧にしたまま転職すると、転職先でも同じ不満を抱える可能性があるからです。
公務員時代は働き過ぎで体を壊し、家族との時間もほとんどありませんでした……
残業代が多かったから給料は高かったけど、大事な家族との時間、健康を削ってお金に換えてた感じだったよね……
辞めたい理由を整理するときは、次の視点を持つと考えやすいです。
- 今の職場だけの問題か
- 異動で解決しそうか
- 公務員という働き方全体の問題か
- 転職しないと解決しなさそうか
①、②のように今の職場の人間関係だけが原因なら、異動で改善する可能性もあります。そんなときにはすぐに辞める決断をしてはいけません。
一方で、③と④のように働き方、評価制度、年収、仕事内容そのものに違和感があるなら、転職活動を始めてみる価値はあります。
STEP2|在職中に転職活動を始める

国家公務員でも地方公務員でも、在職中に転職活動を行うことは法律上問題ないです。
実際に私も含め、転職していった知り合いの公務員は全員、在職中から転職活動を進めています。求人への応募やエージェントとのやりとり、面接なども以下の条件を守っていれば、基本的に問題ありません。
- 勤務時間中に転職活動をしない:職務専念義務違反とみなされる可能性あり
- 職場のPCやメールを使わない:私用のスマホやパソコンで活動を行い、職務との線引きを明確に
- 職務上の情報や立場を使わない:守秘義務や倫理規定に違反する行為は、懲戒処分の対象になる可能性
つまり、平日の夜や休日に、自分のスマホやパソコンで転職活動を進めれば問題ないです
それでも「本当に在職中に転職活動して良いの?」と不安な方は、【元国家公務員が解説】在職中の転職活動は違法?バレるリスクと安全に進める3つの方法をご覧ください。
そしてスムーズな転職活動に大切なのは、職場の人に話さないことです。転職活動自体が問題なくても、職場に知られると引き止めや噂で働きづらくなる可能性があります。
できるだけ職場とのイザコザを避けて転職活動したい方は、以下の記事も参考にしていただければと思います。
STEP3|職務経歴書を作る

公務員から民間企業へ転職するとき、多くの人がつまずくのが職務経歴書です。
異動を数年おきに繰り返し、関係のない部署を転々とするのが公務員の「普通」なので、アピールできるスキルや経験がないと思ってしまうんですよね。
民間にいる友人と違って、転職活動で強みになるようなものが何もない気がする……
意外かもしれませんが、公務員として働くなかで民間でも使えるスキルや能力は自然と身についています。
窓口での対応で様々な市民へうまく対応する能力や、様々な予算、事業を同時並行で進める管理能力など、探せばたくさんあるんですよね。
ただし、公務員の仕事は、民間企業の採用担当者にそのまま伝えても魅力が伝わりにくいことがあります。
たとえば、公務員としての経験を次のように言い換える必要があります。
| 公務員での経験 | 民間企業向けの言い換え |
|---|---|
| 窓口対応 | 顧客対応、調整力、クレーム対応 |
| 予算管理 | 数値管理、進捗管理、関係部署との調整 |
| 議会対応 | 資料作成、説明責任、期限管理 |
| 制度運用 | ルール設計、業務改善、正確性 |
| 関係機関との調整 | ステークホルダー調整 |
公務員経験は、民間で評価されないわけではありません。「真面目」「文章能力が高い」「スケジュールをしっかり守る」など、公務員だと当たり前の資質や能力が民間企業で評価されたりもします。
ただし、相手に伝わる言葉に変換しないと、書類選考で落ちやすくなります。リクルートエージェントなどの転職エージェントの力も借りながら、効率的に仕上げていきましょう。
STEP4|転職先の候補を広げる

公務員から転職するとき、「自分に行ける会社なんてあるのかな」と不安になります。
でも、実際には公務員経験を活かせる転職先はあります。
公務員から転職しやすいのは、次のような仕事です。
- ・法人営業(特に対行政の営業)
- ・カスタマーセンター
- ・事務・管理部門
- ・コンサルティング会社
- ・公共領域に関わる民間企業
大事なのは、「公務員として何をしていたか」ではなく、「民間企業で再現できる能力は何か」を考えることです。
たとえば、調整力、資料作成力、正確性、期限管理、顧客対応、制度理解、諦めずにやり抜く力など、民間でも評価される能力はたくさんあります。
上記の中でも、国、都道府県、市町村を顧客にする法人向け営業職やコンサルティング会社などは私の周りでも転職していった人が複数人います。
「公務員だから民間で活かせる職場はない」と思いがちですが、思ったより元公務員を採用したいと思ってくれる会社も多いので、諦めないでください。
こちらの記事は私の元同僚なので国家公務員の転職先ですが、地方公務員でも同じようなところへ転職できる可能性が十分あります。
STEP5|転職エージェントを使って市場価値を確認する

公務員から転職するなら、転職エージェントは早めに使った方がいいです。
理由は、求人を紹介してもらうためだけではありません。
自分の経験が民間企業でどう見られるのかを確認できるからです。
転職エージェントに相談すると、次のようなことがわかります。
- 応募できる求人の種類
- 年収が上がりそうか、下がりそうか
- 職務経歴書の弱い部分
- 面接で突っ込まれやすいポイント
- 今すぐ転職すべきか、準備すべきか
相談したからといって、必ず転職しなければいけないわけではありません。
むしろ、転職するかどうかを判断するために使うくらいで大丈夫です。
STEP6|内定をもらってから退職を伝える

退職までの流れは、次のようになります。
- 在職中に転職活動をする
- 内定をもらったあと、入社時期を転職先と調整
- 上司に退職意向を伝える
- 人事担当者と面談する
- 事務手続き(退職願の提出、引継など)
退職を伝えるのは、基本的に内定をもらってからで大丈夫です。
公務員の場合、「退職したい」と希望を伝えるだけでも、強く引き止められることがあるからです。
私も退職を伝えた後、上司や人事担当部署との面談が何度もありました。だからこそ、内定前に職場へ話すのはおすすめしません。
先に退職を伝えてしまうと、転職先が決まらないままプレッシャーを受けることになります。
必ず、内定を獲得して辞めることを決断してから、上司や人事担当に退職を伝えましょう。
退職交渉も含め、転職活動の開始から退職願の提出までの流れに、ステップ別にまとめています。具体的な手順を知りたい方には、こちらの記事がお役に立てるかと思います。
STEP7|転職後の生活も現実的に考える

公務員から転職すると、良いこともあります。
私の場合、民間企業へ転職してから、家族との時間は増えました。再転職後には年収も上がりました。
一方で、転職すればすべて解決するわけではありません。
転職後に感じるしんどさもあります。
- ・仕事の進め方が違う
- ・成果を求められる
- ・人間関係をゼロから作る必要がある
- ・公務員時代の常識が通じない
- ・人間関係がリセットされ、思ったより孤独を感じる
転職は、公務員時代の悩みから逃げるだけではうまくいきません。
「何を変えたいのか」
「何は失ってもよいのか」
「どんな働き方をしたいのか」
を考えておくことが大事です。
まとめ|公務員から転職したいなら、小さく動き始める

公務員を辞めたいと思っても、すぐに退職する必要はありません。
まずは在職中に、できることから始めれば大丈夫です。
仕事終わりや休日に、スマホでできることだけでもOKです。
やることはシンプルです。
- 辞めたい理由を整理する
- 職務経歴書を作る
- リクルートエージェントなどの転職エージェント等で市場価値を確認する
- 応募してみる
- 内定をもらってから退職を伝える
初めての転職は誰でもハードルが高く感じるものです。ましてや安定していると言われる公務員から転職するのは、不安が大きいですよね。
私も公務員を辞めるとき、「民間で通用しなかったら、飢えて死ぬかも」と割と本気で思ってました
でも、準備すれば選択肢は作れます。
「辞めるかどうか」を今すぐ決める必要はありません。
まずは、自分が民間企業でどう見られるのかを知るところから始めてみてください。
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